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普天間決着、実現可能な案はこれしかない!(産経新聞)

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先の決着期限である5月末まで、あと1カ月余りとなり、鳩山由紀夫首相は正念場を迎えています。

 しかし、首相が期待をかけている鹿児島県・徳之島案も、18日に1万5000人(主催者発表)の反対集会が開かれたほか、民主党の鹿児島県連も受け入れ反対を首相に伝えるなど、地元の理解を得るのは絶望的です。また、米政府にとっても、徳之島は沖縄から200キロメートルも離れていることから、「軍事運用上、問題がある」として、受け入れ不能な案のようです。

 一方、与党内で検討されているもうひとつのキャンプ・シュワブ(沖縄県名護市)内に500メートル級のヘリパッドを建設するという案(陸上案)も、民家の上をヘリコプターが飛ぶことになり、危険で騒音被害が想定されることから、名護市議会が全会一致で反対を決議し、地元の理解を得るのはほぼ不可能です。米政府も500メートルのヘリパッド建設はキャンプ・シュワブの運用に支障を来すうえ、有事の際には対応不能となることから、やはり受け入れがたい案のようです。

 したがって、現在、与党内で検討されている案での決着はいずれも、不可能と言わざるをえません。そこで、私が多方面に取材を行った結果、「実現可能な案はこれしかない」というものがありますので、今回はこの場で提案させていただきたいと思います。

 それは(1)キャンプ・シュワブ沖浅瀬または沿岸部に2000メートル級の滑走路を1本、「訓練用」に限定して建設する(2)山口県岩国市の岩国基地に米軍用の滑走路を建設し、普天間飛行場の機能の多くの部分を移転する−というものです。

 これなら、沖縄県内に滑走路を建設するものの、現行案の2本から1本に縮小することになるうえ、目的は「訓練用」ですから、沖縄県の負担はかなり軽減されます。そして機能の大部分は岩国基地に移設されますから、鳩山政権が掲げてきた「県外移設」にほぼ沿った内容になります。

 キャンプ・シュワブ沖の浅瀬または沿岸部案は、すでに政府部内で検討が始まっているようです。浅瀬に埋め立てで滑走路を建設する案は、ヘリが民家の上を飛ぶことはなく、騒音被害もありません。沿岸部の場合はヘリの飛行ルートが一部民家の上を飛ぶことになりますが、それは該当する地区の民家の移転を補償するなどすれば理解が得られると思います。

 米政府に詳しい日米関係筋によると、沖縄県内に何らかの形で海兵隊用の滑走路をもつことは、軍事上どうしても必要なようです。それがキャンプ・シュワブという海兵隊の基地に隣接して作られることは、むしろ普天間飛行場より、近い区なるので、米政府は歓迎するでしょう。滑走路は何も現行案のように2本必要なわけではなく、1本で十分とのことです。

 一方、受け入れ先となる名護市も、もろに民家の上をヘリが飛ぶ陸上案には反対で、すでに市議会が全会一致で反対を決議していますが、現行案を容認した方々は、浅瀬または沿岸部なら受け入れ可能なようです。ある市議は私にそう明言しています。

 なぜ、名護市に移設受け入れ容認派が多いかというと、その背景には同市が長年築いてきた米軍との協調の歴史があります。沖縄全土で米軍基地に反対する「島ぐるみ闘争」が展開されていた昭和31年、名護市の辺野古地区は唯一、キャンプ・シュワブを受け入れ、その後、米軍との話し合いの場である「親善委員会」を設置するなどして交流を深め、良好な関係を築いてきました。

 名護市は米軍とむやみに対立するのではなく、あえて受け入れ、協調するという道を歩んできたのです。これは沖縄県内の他の自治体にはないことで、名護市特有のものです。それを考えると、私は沖縄県内で移設を受け入れてくれる自治体があるとすれば、それは名護市しかないだろうと考えています。

 また、岩国基地に米軍用の滑走路を新たに建設する案は、すでに現在も滑走路を軍民共用で米海兵隊が使用しており、岩国市は米軍に比較的理解のある自治体であるうえ、同市にも大きなメリットをもたらす可能席があることから、受け入れてもらえるのではないかと思います。

 米軍用の滑走路を建設すれば、現在の滑走路は完全に民間で使えることになります。中国地方は広島空港が市街地から遠く利便性があまりよくないことを考えると、岩国市の飛行場が完全に民間化されれば、中国地方の「空の玄関口」になる可能性があります。そうなれば市全体にも大きな経済波及効果をもたらすことでしょう。

 一方、米政府にとってはもともと在日米軍再編計画には、岩国基地への機能移転が盛り込まれており、先の日米軍事筋によると、「軍事的観点からも米軍にとって受け入れ可能、むしろ歓迎する案」とのことです。

 私は普天間問題を決着できるのは、もはやこの案しかないと思います。鳩山首相の進退どうのこうのは別にどうでも構いませんが、私はこの問題が期限通りに決着しなければ、日米同盟関係を揺るがす事態となり、大きく国益を損ないかねないという危機感をもっています。

 さらに、沖縄県民にとっても市街地の中心部に位置し、「最も危険な基地」と呼ばれる普天間飛行場がそのまま残ることになります。したがって、鳩山首相には先の案で決断してもらいたいと思います。

 県外・国外移設を検討するとしてきた鳩山首相に対しては、名護市に滑走路を作ることは「公約違反ではないか」などの批判が出るかもしれません。その意味では、鳩山首相にとっては「苦渋の決断」になるかもしれません。

 しかし、現実的に問題を解決するためにそれが必要である以上、やむをえません。移設先の地元にも、現行案を変更する米政府にも「苦渋の決断」を求めるわけですから、まず鳩山首相自らが「苦渋の決断」をすべきなのです。相手に「苦渋の決断」を求めるのに、自分だけが傷を負わず、格好よくすませるというのでは、相手が「苦渋の決断」をしてくれるわけがないでしょう。

 鳩山首相は日本のトップである以上、一部批判を覚悟の上で、国益全体を考えて決断する責務があります。日本の歴史に偉大な足跡を残した首相はみな、批判を恐れず、果敢に決断してきました。

 サンフランシスコ講和条約を締結した吉田茂、日ソ共同宣言を締結した鳩山首相の祖父である鳩山一郎、日米安保条約改定を果たした岸信介、沖縄返還を果たした佐藤栄作、消費税を導入した竹下登の各首相らは、当時は批判も受けましたが、後世からは歴史的評価を受けています。

 だれもがハッピーで批判されない政策など、現実の政治ではありえません。もし、あったとすればそれは衆愚的政策で、後の歴史に耐えうることはできないでしょう。批判はあっても国益のためなら決断する覚悟が、首相には必要なのです。鳩山首相も日本の国益を背負う決意があるなら、一時的な批判に惑わされることなく、果敢に決断してほしいと思います。

 そして、鳩山首相が移設先を決断したら、受け入れ先には可能な限りの負担軽減策を検討してもらいたいと思います。移設先が名護市ということなら、やはり沖縄県北部振興策をさらに充実させるべきです。

 私は昨年12月、取材のため、名護市を訪れました。美しい海岸をもった閑静な市でしたが、観光客の誘致には苦労しているようでした。那覇市から高速道路が整備されていますが、それでも片道1時間半かかります。沖縄県への観光客は増えているそうですが、多くは空港のある那覇市とその周辺、足を伸ばす場合は石垣島などの離島に行くという傾向があるようで、県北部には流れていないようです。

 したがって、名護市など県北部が発展するには、まだまだ国による支援が必要なのです。公共施設の建設や雇用を生む企業の誘致、関税など税制上の優遇措置を受けられるフリートレードゾーン(自由貿易地域)の設立など、方策はいろいろあると思います。国民全体が米軍基地の負担を分け合うという観点からすれば、こうした県北部振興策の充実に反対する国民はほとんどいないでしょう。

 もうひとつの移設先の岩国市に対しても、やはり新たな負担を求めるわけですから、岩国飛行場の整備をはじめ、各種振興策を検討してもらいたいと思います。

 政府はぜひそうした総合的な政策を立案して、地元の説得にあたってもらいたいと思います。こうした問題の解決には単に理屈だけでなく、情が必要です。政府は国民を代表して新たな負担を受け入れてもらうわけですから、「誠意」をもって説得にあたってほしいと思います。

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